知人や友人に車を売るメリット・デメリット
車を売る際、一般的には下取りや買取を依頼することが多いですが、中には知人や友人などに売る人もいます。
しかし、友だちだから・・と、軽い気持ちで売買すると、とんでもない結果になることも少なくありません。
今回は、知人や友人に車を売る場合のメリットとデメリットを紹介します。
知人や友人に売る場合のメリット
高値で売れる
知人や友人に車を売る場合、最大のメリットは、車が高値で売れるという点でしょう。
一般的に、中古車販売店が買取った車に上乗せする利益率は、普通車が10%~20%、軽自動車はもう少し低く、5~10%程度と言われています。
例えば、自分の車が200万円で売られていた場合、その車の市場価値は160万円~180万円となりますが、そこから更に経費や手数料を引かれた金額が実際の買取価格になります。自分の車の販売価格がわからない場合は、およそ20万~30万円程度が利益分だと考えてよいでしょう。
ただ、これは一般的な車の場合で、需要の少ない車、マイナーな車には60万、70万、高額の輸入車では100万円以上、といった利益を上乗せして販売しているケースも少なくありません。
なぜなら、売れにくい車は買い手がつくまで保持しなければなりませんから、経費もかかりますし、場合によっては廃車にする可能性もあるといった大きなリスクがあるからです。
また、オークションでの流れから考えてみましょう。
仮に、100万円で車を買取ったとします。そして、その車を120万円でオークションに出品して落札されれば、出品者は20万円のマージンとなります。
そして、落札した販売業者がまた20万円のマージンを上乗せして140万円で店頭で売るとしたら、1台の車に40万円が上乗せされたことになります。
個人売買の場合は、そういった各種手数料や在庫管理料、マージン等が不要になりますので、買う側は安く買うことができますし、売る側は高値で売れることになります。
では、実際に売却価格はいくらにしたら良いか、悩むところではありませんか?
売却金額に迷ったら、一度、査定をしてもらいましょう。そして、あらかじめ中古車店やインターネットで、およその販売価格を調べておき、提示された査定価格と手続きなどに掛かる経費を引けば、業者の利益分がわかります。その金額内で売却金額を話し合ってみてはいかがでしょうか。
大切な友人や知人だからこそ、一度、きちんと買取業者に適正価格を査定をしてもらい、その金額を納得してもらってから売買することをおススメします。
改造車でも売れる
一般的に改造車は買取価格が下がることが多いですが、知人や友人であれば、こだわったボディカラーや過度な改造を行ったレアな車でも、価値を理解してもらえ、そのまま購入してくれることもあります。
特に、見た目を左右する外観の改造は好みが分かれるところでもあり、査定価格が下がります。純正に戻すといっても、個人では手間や費用もかかります。そのままが良い!という友人に売ってしまう方が得策かもしれません。
消費税は不要
個人売買であれば、消費税を課税する必要はありません。その分を考慮して売却価格を調整することができますので、売る側にとっても買う側にとってもお得ですね。
知り合いという安心感
既に両者の間には信頼関係ができていますし、お互いの人間性についても十分わかっているという安心感もメリットの一つでしょう。
また、車についても、次にどこの誰が乗るかわからないよりは、知っている人に乗ってもらいたい、買う側も乗っていた人が分かる方が安心ですよね。愛着のある車ならなおさらかも知れません。
知人や友人に売る場合のデメリット
友人関係が破綻する可能性
友人だから、安くしてくれるから、と気軽に素人同士での売買は大変危険です。車は金額的にも高額になりますし、車の代金の支払が遅れても請求しづらいでしょう。
個人売買では通常、契約書はなく、口約束のケースがほとんど。「言った」、「言わない」という話になってしまいます。
トラブルが起これば、当人同士だけでなく、他の友人関係にまで影響が及ぶことも考えられます。場合によっては、友人関係に亀裂が生じるどころか、事故などで命にかかわる問題に発展するような可能性もあるという大きなデメリットがあります。
車の状態を見抜けない
一括査定でも数十万円も差がでるように、車のコンディションを見抜くのは、経験豊富な専門家であってもなかなか判断が難しいものです。事故車ともなれば、どんな影響が出てくるか、素人には全く想像もつかないでしょう。
購入してすぐに故障すれば、原因はもともとあったものか、購入してからのものか、修理代はどちらの負担になるのか、それで怪我をした場合は責任はどこにあるのか、など大きなトラブルになるケースも少なくありません。
面倒な手続きでトラブル
さらに、個人での売買は上記のような名義変更手続きや自動車税、自動車取得税の申告、車検証の発行など、自分で行わなければならない手続きがとても多く、手間もかかる上に、平日に手続きをするので、時間がとれない人にとっては大変な負担になってしまいます。
その手続きを誰が行なうのか、ということも決めなければなりません。
お金の面でも、各種の手続きに係る費用、自動車税の支払いなど、お金に関係する話し合いが大変多くなります。友だちとお金の話をするのは大変気まずいものです。
友人関係が深ければ深いほど、何かクレームがあっても、なかなか言いくいものです。そして、それが後々どんな大きなトラブルに発展するかわかりません。
車の売買に詳しくない人同士の売買はできれば避けた方が良いでしょう。
こんなトラブルに要注意!
知人や友人だからといっても車の売買にはお金がかかります。仮に車をタダであげたとしても名義変更などの手続きはタダではありませんし、時間も手間もかかり、実際にトラブルに発展することも多いです。
よくあるトラブルを紹介しますので十分に注意して売買するようにしましょう。
車の名義人に注意
車の名義人は注意が必要です。ローンが残っている場合は「所有権留保車」といって、自分の名義ではないので売却することはできません。
残金を全て支払い「所有権の解除」手続きをすれば譲渡可能になります。購入したところで手続きを行ってもらえますので必ず申し出て、名義は自分にしてから譲渡するようにしてください。
自分と違う都道府県の人に譲渡する場合
自動車税は都道府県ごとの徴収になるので、知人や友人が自分と同じ都道府県であれば、その年度の自動車税は既に支払われているので、新しい所有者(友人や知人)は支払う義務はありません。
しかし、違う都道府県の人に譲渡する場合は、名義変更の手続きをした月の翌月から月割りで計算された額が戻ります。反対に、譲渡された知人や友人は、その分の支払をしなければなりません。
こういったお金に関するトラブルで人間関係は簡単に壊れます。税金等については事前にしっかり確認しておいた方が良いでしょう。
個人売買ではローンが組めない
支払に関してもトラブルになる可能性があります。
個人売買では一括払いか、お互いの話し合いによる分割方法しかありません。クレジット会社を介してのローンを組むことができないので、支払が遅れても請求しづらかったり、場合によっては回収できない可能性もあります。初めに支払方法をしっかり決めておくことが重要です。
相手と仲が良ければ良いほど、故障やお金に関するトラブルは避けたいもの!
買取業者やディーラーであれば、名義変更や所有権解除、支払まで全て代行してくれます。多少お金はかかりますが、大事な知人や友人とトラブルにならないためにも、全て個人で行うのではなく、専門家を介して売買することをオススメします。