スズキ・ハスラー魅力がさらにアップ!人気のハスラーを徹底解説
2014年の発売から2年が経過したスズキ・ハスラーですが、今でも好調な売れ行きを示しています。
2015年のマイナーチェンジで、「エネチャージ」が、「S・エネチャージ」に進化するなど、さらに魅力もアップしています。
アウトドアやレジャーシーンにピタリとはまるコンセプトでありながら、街中でも映えるデザインによって、男性のみならず、女性が普段使いに乗っても、まったく違和感がありません。ポップなカラーバリエーションも、人気の秘密でしょう。
熟成の進んだスズキ・ハスラーの魅力を、改めて見てゆきます。
プラットフォームは、ワゴンRがベース
ハスラーのプラットフォームは、5代目ワゴンRがベースになっています。ですから、ホイールベースやシートの着座位置なども、基本的にワゴンRと共通です。そこに、ワゴンRより一回り大きい15インチのホイールを与え、SUVらしいルックスと、180ミリの最低地上高を確保しています。(4WDは、リアデフ下で175ミリ)。
もちろん、スズキの新軽量衝撃吸収ボディーである「TECT」を採用しています。
気になるJC08モード燃費は、グレードや駆動方式によって、24.2km/から32.0km/となります。トランスミッションは、CVTと、グレードによって5MTも選べます。
充実した走りの機能
エンジンは自然吸気のR06A型と、同型ターボ付きの2種類です。
出力は自然吸気が52PS、ターボ付きが64PSとなります。街中を中心に日常のコミューターとして使いたいなら、自然吸気。週末にアウトドア用品をどっさり積んで、遠くまでドライブしたいならターボがお勧めです。
峠の登りで、アクセルペダルに力を込めなくてもスイスイ走れるエンジンパワーは、長距離ドライブの疲労を軽減してくれます。駆動方式はFFと、4WDから選べます。積雪地方ではなく、都市を中心に乗るならFFがいいでしょう。
FFでも、大きなホイールと180ミリの最低地上高によって、ちょっとした段差も気にせず乗れます。
しかし、冒頭でも触れましたがハスラーの4WDは、かなり本気モードなのです。見た目だけの「なんちゃって4WD」ではありません。基本的なメカニズムはワゴンRのものを踏襲していますが、ハスラーには、SUVらしく「悪路を走破」するための逞しいシステムが備わっています。
急な下り坂で、エンジンブレーキだけでは速度が出すぎる場合、自動でブレーキをコントロールし、時速7km/hのゆっくりとしたスピードで坂を下ります。これにより、ドライバーはハンドル操作に集中することができます。
悪路を走破中、片輪が空転した場合、空転した車輪にブレーキをかけ、路面に対してグリップしている側の車輪に駆動力を集中させます。このグリップコントロールの有無は、4WDとしての走破性を大きく左右するもので、滑りやすい積雪路を走った時など、その効果に驚くはずです。
SUVだからと言って、頻繁に悪路を走ることはないでしょう。でも、いざとなったら「本格的な4WDとして使える」、と言うのは、SUVにとって大きなアドバンテージです。モード燃費は若干低下しますが、ハスラーの4WDは、とても本格的なのです。
さらに進んだ燃費性能
現代のクルマにとって、もはや必須アイテムとなりつつあるアイドリングストップ機能。
ハスラーには、減速時にブレーキを踏んだ状態で、時速13キロになると、自動でアイドリングがストップする機能が備わります。また、ハスラーではCVTだけではなく、5MT車にもアイドリングストップ機能が採用されました。停車中、ギアをニュートラルに入れ、ブレーキをかけた状態でクラッチペダルから足を離すと、アイドリングがストップします。
そして再びクラッチを踏むと自動でエンジンがスタートします。これはとても便利な機能で、発進でエンストした時なども、クラッチを踏むことですぐにエンジンが始動します。
2015年5月と、12月の一部変更で、エネチャージがSエネチャージに進化しました。
オルタネーターにモーターの機能を持たせ、その力を発進時に動力として使うのがSエネチャージです。
これは、マイルドハイブリッドと呼ばれるシステムで、プリウスのような本格的なハイブリッドシステムではありませんが、大きなコストアップ必要とせず、減速時のエネルギーを、効率よく加速に使うことができます。
空調ユニットの中に蓄冷材を内蔵して、アイドリングストップ中でも、冷房維持のためのエンジン始動を、できるだけ遅くなるようにしています。また、エンジン始動のタイミングを、燃費重視・標準・快適重視の3パターンから選択できます。
ポップで魅力あるエクステリアデザインと、内装
とても愛嬌のあるデザインですが、スズキの担当者の話では、このエクステリアデザインは、相当に時間をかけて煮詰めたそうです。
細部では、ホイールアーチモールやサイドスプラッシュガードをブラック処理することで、SUVとしての逞しさを強調しています。その一方で、涙目をイメージしたヘッドライを用いたのフロントマスクは、まるで「ゆるキャラ」のようです。本格的な4WDシステムを採用したコンパクトSUVとして、男性ユーザーはもちろん、女性ユーザーのハートもつかみたいという、メーカーの苦心の跡が見て取れます。
カラーバリエーションはとても豊富で、これはハスラーの大きな魅力の1つです。流行の兆しを見せる2トーンカラーも、しっかり用意されています。
内装も、遊び心のあるものになっています。カラーパネルをパイプで繋いだダッシュボードのデザインをはじめ、シンプルでおしゃれなワンルームマンションと言ったイメージがあります。
「四駆に乗りたいけど、ジムニーじゃちょっと硬派すぎるかな」。
ハスラーのデザインコンセプトは、そんなユーザーにピタリと照準を合わせてきました。
抜かりのない安全装備
スバルが「アイサイト」で先鞭をつけた、ブレーキサポートシステムは、あっという間に軽自動車にも普及しました。
さらに、このカメラを使って、車線逸脱警報機能や、ふらつき防止機能なども装備されます。先進の安全装備を軽自動車にも積極的に展開するスズキの姿勢は、高く評価されるべきでしょう。
分かりやすいシンプルなグレード構成
基本グレードは、X、Xターボ、G、Gターボ、Aとなり、それぞれにFFと4WDがあります。
その他に、専用のメッキフロントグリルや、メッキドアハンドルなどで加飾した、JスタイルⅡというタイプもあります。
Aは、思い切り装備が簡略されたグレードで、ブレーキサポートも未装備です。また、4WDを選択してもヒルディセントコントロールや、グリップコントロールが装備されません。
本格的な4WDシステムを使った走りは、G、Gターボで十分に味わうことができます。さらなる先進の安全装備や上級感を求めるならX、Xターボとなります。
スズキは以前、その名も「Kei」と言う名のSUVルックの軽自動車をラインナップしていましたが、2009年に生産中止となりました。それから5年、進化した燃費性能と、先進の安全装備を備えたハスラーがデビューしました。
ハイト系ワゴン一色だった軽自動車の世界に、「遊べる軽」としてデビューしたハスラーは、大人気となったのです。クルマにとって機能や燃費は大切ですが、デザインや個性や遊び心だって大切な要素です。ハスラーの成功が、そのことを私たちに教えてくれました。