プリウスの人気を探る ついに燃費40Lを超えたその内容とは?!
プリウス基礎情報
プリウス基礎情報 |
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エンジン |
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型式 | 2ZR-FXE |
総排気量 | 1.797L |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
内径×行程 | 80.5×88.3mm |
圧縮比 | 13.0 |
最高出力〈ネット〉 | 72(98)kw(PS)/5,200r.p.m |
最大トルク〈ネット〉 | 142(14.5)N・m(kgf・m)/3,600r.p.m |
燃料供給装置 | 電子制御式燃料噴射装置(EFI) |
燃料タンク容量 | 43L |
燃料消費率(JC08モード) | 37.2[34.0]km/L 40.8km/L(Eのみ) |
フロントモーター |
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型式 | 1NM |
種類 | 交流同期電動機 |
最高出力 | 53(72)kw(PS) |
最大トルク | 163(16.6)N・m(kgf・m) |
リアモーター(E-Fourのみ) |
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型式 | [1MM] |
種類 | [交流誘導電動機] |
最高出力 | [5.3(7.2)kw(PS)] |
最大トルク | [55(5.6)N・m(kgf・m)] |
動力用主電池 |
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種類 | リチウムイオン[ニッケル水素] |
個数 | 56[28] |
接続方式 | 直列 |
容量 | 3.6[6.5]Ah |
最低地上高 | 140mm(X-URBAN:160mm) |
※S及びSツーリングセレクションはニッケル水素、他はリチウムイオンとなります |
※E-Fourは全てニッケル水素となります |
寸法・定員 |
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全長 | 4,540mm |
全幅 | 1,760mm |
全高 | 1,470mm |
ホイールベース | 2,700mm |
最低地上高 | 130[135] |
乗車定員 | 5名 |
走行装置 |
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ステアリング | ラック&ピニオン |
サスペンション(フロント) | ストラット式コイルスプリング(スタビライザー付き) |
サスペンション(リア) | ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング(スタビライザー付き) |
※Eはリアのスタビライザーはつきません |
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ブレーキ(フロント) | ベンチレーテッドディスク |
ブレーキ(リア) | ディスク |
作動方式 | 油圧・回生ブレーキ協調式 |
駆動方式 | トランスミッション |
駆動方式 | 前輪駆動方式(FF) 4輪駆動方式(E-Four) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
減速比 | 2.834[フロント2.834 リア10.487] |
グレード別のメーカー希望小売価格(消費税込み) |
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Aプレミアム ツーリングセレクション | ¥3,199,745 |
Aプレミアム ツーリングセレクション E-Four | ¥3,394,145 |
Aプレミアム | ¥3,107,455 |
Aプレミアム E-Four | ¥3,301,855 |
Aツーリングセレクション | ¥2,926,800 |
AツーリングセレクションE-Four | ¥3,121,200 |
A | ¥2,777,563 |
A E-Four | ¥2,971,963 |
Sツーリングセレクション | ¥2,628,327 |
Sツーリングセレクション E-Four | ¥2,822,727 |
S | ¥2,479,091 |
S E-Four | ¥2,673,491 |
E | ¥2,429,018 |
※[ ] 内 は、E-Fourの数値です
昨年の12月にデビューして以来、好調な販売を維持している4代目プリウス。現在でもバックオーダーを抱え、納期は、グレードやカラーにもよりますが2~3か月となっています。
エコカーの代表選手として、とかく燃費ばかりが注目されますが、その斬新なスタイルも含め、あらためてプリウスの魅力を探ってみたいと思います。
リッター当たり40キロを超えた燃費
EグレードのJC08モード燃費は、リッター40.8キロとなり、ついに40キロの大台を超えてきました。
1970年代後半から80年代初頭の排ガス規制が一気に厳しくなった時代、どのメーカーもパワーダウンと、悪化する一方の燃費と戦っていました。
あれから40年近くの時を経て、クルマの燃費がこれほどまでに進化するとは、想像すらできなかったと思います。ただし、40.8キロの燃費を実現しているのはEグレードのみで、他のグレードはすべて37.2キロとなっています。それでも、3代目モデルの30.4キロから大幅にアップしてきました。
「燃費で他のクルマに負けるわけにはいかない」という、トヨタの強い意志と、それを実現する高い技術力を感じさせます。
全く新しくなったプラットフォーム
4代目プリウスには、まったく新しいプラットフォームが使われています。
TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と名づけられたそれは、トヨタが次世代を見据えたもので、軽量化と低重心を実現した、まったく新しいプラットフォームです。
そのTNGAを使った第一弾が、プリウスなのです。
今までのプリウスは、どちらかと言えば「走りの良さ」に関して、それほど高い評価を得られていませんでした。乗り心地が良くない、ブレーキのフィーリングがイマイチ、コーナーリングが安定しない、等々。
燃費は素晴らしいが、走りを楽しむクルマではない、という評価が多かったようです。
しかし、新しいプリウスは違います。燃費だけではなく、走りも楽しめるクルマになっているのです。
先ず、ドライバーズシートの着座位置が、59ミリも下げられました。今までのプリウスユーザーが、ショールームで新しいプリウスに乗り込んだ瞬間、思わず「こいつは、スポーティーだ」と感じるはずです。
この低重心化は、コーナーリング中の安定感を大幅にアップさせています。
さらに、リアサスペンションが、トーションビームアクスルから、ダブルウィッシュボーンに変更されました。
この違いはとても大きく、低速での乗り心地の良さや、コーナーリング中のリアの接地間に大きな差が生まれます。
このサスペンションは、小型FF乗用車として、とても贅沢な設計と言えるでしょう。
斬新なエクステリアデザイン
プリウスの販売が好調な要因は、そのデザインにあるのかもしれません。
2代目から3代目へのモデルチェンジでは、それほど大きなデザイン上の変化はなく、所謂キープコンセプトと言ったものでしたが、新しいプリウスは違います。
デザイン上で3代目のイメージを継承している部分は、ほとんどありません。
シートの着座位置が59ミリも下げられたことによって、ボンネットフードの高さも大幅に下げられました。
それによって、2代目と3代目に見られた、ボンネットからルーフにかけてのワンモーションデザインと決別しました。Aピラーは、ボンネットのラインに続くことなく、フェンダー部に前後のラインを残して消えてゆきます。
3代目と新しいプリウスを真横から見比べると、全く違うシルエットであることに気づくでしょう。
更に、新しプリウスでは、様々なキャラクターラインを多用して、ディテールが複雑な折れ線によって成り立っています。
特にフロントマスクは顕著で、ボンネットからのプレスラインがバンパー部にまで延長されるなど、非常に凝ったデザインとなっています。リアも同様で、今までの面影は全くありません。
ブーメラン型のテールランプなど、好き嫌いがはっきりするデザインですが、トヨタはあえてそこに踏み込んできました。燃費の良さだけではなく、クルマとしての個性をはっきり出そうとする、トヨタの意図が見て取れます。
このように様々なキャラクターラインを多用して、デザインの完成度を高めるのは、とても高度な作業が必要だと思われますが、トヨタのデザインチームの力量を感じさせる、見事なデザインだと思います。
シンプルなグレード構成
グレードは、とても分かりやすい構成となっています。
下から、E、S、A、Aプレミアムという構成で、E以外ではツーリングセレクションという、パッケージが選べます。
この中で、Eグレードは、まさに燃費スペシャルと言えるもので、リアワイパーの省略なと、装備が簡略化されたモデルです。また、消音、遮音材も省かれており、一般ユーザーというより、法人向けと考えた方がいいでしょう。
価格は、242万円です。
Sになると、上級ファブリック素材のシートや、合成皮革のステアリングホイールなど、上級感が一気に高まります。
価格は、247万円となります。
Aは、トヨタの先進安全デバイスである、トヨタ・セーフティー・センスPが標準となります。
これは、
~ミリ波レーダーと、単眼カメラを使用した、自動ブレーキシステム。
2、レーンディパーチャーアラート
~ウインカー操作を行わずにレーンをはみ出そうとすると、ブザーとディスプレイで警告を出す。
3、オートマチックハイビーム
~ハイビームとロービームを自動で切り替える。
4、レーダークルーズコントロール
~ミリ波レーダーと単眼カメラを使用して、一定の距離を保ちながら先行車を追走する。
以上の4つの安全デバイスがセットになったものです。
プリウスを購入するなら、トヨタ・セーフティー・センスPは是非セットしたい装備です。
価格は、277万円と、かなりアップします。
Aプレミアムは、Aに本革シートや本革巻きステアリングホイールなど、高級志向を満足させる仕様となっています。価格は、310万円になります。
お買い得モデルはどれか
実質的に、Sグレード以上であれば快適装備に不満はないはずです。
そこでSに装備されていないトヨタ・セーフティーセンスPをオプションで装備します。オプション価格は8万6千円です。この組み合わせが一番のお買い得モデルと言えそうです。
そして、できればツーリングセレクションをお勧めします。その理由は、ホイールサイズにあります。
プリウスのホイールサイズは、基本グレードではすべて15インチとなりますが、ツーリングセレクションを選ぶと17インチになります。
ハッチバックであるプリウスは、ボディー後半部にデザイン上のボリュームが集中し、上下方向が厚くなるのを避けられません。15インチのホイールサイズでは、その厚みに対して、足元が頼りなく見えてしまうのです。
そこで17インチを選ぶことで、ぐっとたくましくスポーティーになります。せっかく走りの質がアップしたプリウスですから、足元はカッコよく決めてほしいと思います。
カラーは、ずばり白系が似合います。新しいプリウスは、サイドウインドウ後端部が、ブラックアウト処理されています。
その効果で、ルーフが宙に浮いたように見えるデザインとなっていて、これがプリウスをスポーティーに見せている最大の要因となっています。
ダークなカラーでは、そこ効果が分かりずらく、特徴あるデザインを生かしきれません。
ホワイトパールクリスタルシャイン、またはスーパーホワイトⅡが絶対にお勧めです。
エアロパーツについて
プリウスには、メーカー純正エアロのほかに、TRDとモデリスタからも魅力的なエアロが選べます。
どちらも、トヨタグループ内のパーツメーカーであり、クルマと同時進行で開発されているため、装着時の精度感も非常に高いものがあります。
シャープでスポーティーなデザインをまとったプリウスには、エアロがとても良く似合います。
ハイブリッドカーは、もはや燃費だけで選ばれる時代ではなくなりました。
走る楽しさを手に入れた新しいプリウスで、新しいカーライフを思い切り楽しんでください。